- 省エネ適合性判定は、建築主が工事に着手する前に受ける義務のある手続きです(法第11条)。販売・賃貸時の省エネ性能表示は、販売・賃貸を行う事業者が行うよう努める表示で、努力義務です(法第27条第1項)。
- BELSは、国土交通省のガイドラインが、表示制度の「既存の第三者評価制度」として挙げている制度です。適合性判定の通知書とは別のもので、判定の代わりになるとは、読んだ資料に書かれていません。
適合性判定・販売時の表示・第三者評価(BELSなど)の比較
e-Gov法令検索「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律」、国土交通省告示第970号(令和5年9月25日)、国土交通省「販売・賃貸時の省エネ性能表示制度ガイドライン_R6.8改定」の記述を比べます(確認日 2026-11-06)。
| 省エネ適合性判定 | 販売・賃貸時の省エネ性能表示 | 第三者評価(BELSなど) | |
|---|---|---|---|
| 根拠 | 法第11条 | 法第27条、告示第970号 | 告示第970号の第三者による評価、ガイドラインの用語「第三者評価」 |
| 位置づけ | 要確認特定建築行為について、工事に着手する前に受ける義務 | 販売・賃貸を行う事業者の努力義務 | 申請者の申請に基づく評価 |
| 行う人 | 建築主が計画を提出し、所管行政庁(または登録判定機関)が判定する | 販売・賃貸を行う事業者 | 申請者が申請し、第三者である審査機関(登録判定機関など)が審査する |
| 出るもの | 結果の通知書(基準に適合するものは適合判定通知書)。建築確認で提出する | 広告等に表示する表示様式(多段階評価と評価年月日) | 第三者による評価に係るマークなど。表示様式の中で表示する |
適合判定通知書は、建築基準法の確認を行う建築主事・指定確認検査機関に提出するもので、これがないと確認ができません(第11条第6項・第8項)。表示と第三者評価は別の条(第27条)と告示に定められており、第三者評価の結果で適合性判定に代えられるという記述は、読んだ資料にはありません。
告示第970号が定める表示の内容
| 建築物の区分 | 表示すべき事項 | 表示様式 |
|---|---|---|
| 非住宅建築物 | 非住宅部分の一次エネルギー消費量に係る多段階評価 | 別記様式第1 |
| 住宅 | 住宅部分の外皮性能及び一次エネルギー消費量に係る多段階評価 | 別記様式第2 |
| 複合建築物 | 複合建築物の一次エネルギー消費量に係る多段階評価 | 別記様式第3 |
どの区分でも、上の事項に係る評価年月日も表示すべき事項です。表示は、販売等を行う建築物の広告等(新聞紙、雑誌、ビラ、パンフレットなどの印刷物、ウェブサイト)に行います。告示の施行日前に建築基準法の確認の申請などがされた既存建築物は、表示すべき事項の対象から除かれます。
出典: 国土交通省告示第970号(令和5年9月25日)の1・2(確認日 2026-11-06)。
第三者評価とBELSの位置づけ
国土交通省のガイドラインは、第三者評価を「申請者の申請に基づき、第三者である審査機関(登録建築物エネルギー消費性能判定機関等)がその内容を審査し、申請に係る建築物の省エネ性能を評価すること」と説明し、「既存の第三者評価制度としては、BELS(ベルス:建築物省エネルギー性能表示制度)がある」と書いています。
告示第970号は、表示すべき事項について第三者による評価(登録判定機関、またはこれと同等以上の能力を有する機関による評価)を受けた場合は、その評価に係るマークなどを表示様式の中に表示するよう定めています。
出典: 国土交通省「販売・賃貸時の省エネ性能表示制度ガイドライン_R6.8改定」の「用語の解説」、国土交通省告示第970号(令和5年9月25日)の2(2)ハ(確認日 2026-11-06)。
表示制度の対象にならない例
ガイドラインは、次の例を、法律上の努力義務や勧告等の規定の対象外としています。
- 注文又は請負により建築される建築物についての省エネ性能表示
- 販売・賃貸の用に供されない建築物についての省エネ性能表示
- 不動産証券化手法により信託受益権として取引される建築物についての省エネ性能表示
同じガイドラインは、これらの場合でも表示を行うことは望ましく、ガイドラインに準拠した表示に努めることを期待するとも書いています。設計者が受ける適合性判定(手続きと期間)は、これとは別に、対象の建築で受ける義務のある手続きです。
出典: 国土交通省「販売・賃貸時の省エネ性能表示制度ガイドライン_R6.8改定」の「ガイドラインの利用対象」(確認日 2026-11-06)。
このページで確認していないこと
BELSの評価書に載る項目、評価の区分、申請の手続き、手数料、評価を行う機関の一覧は、読んでいません。適合性判定を受けた計画とBELSの評価の関係(評価の申請に判定の資料を使えるかなど)は、このページでは扱いません。基準適合認定や住宅性能表示制度の内容も、このページでは扱いません。BELSを申請する場合は、評価を行う機関の最新の案内を確認してください。
よくある質問
BELSを取れば、省エネ適合性判定は不要になりますか。
読んだ資料には、そのような記述はありません。適合性判定は法第11条の義務のある手続きで、BELSは国土交通省のガイドラインが表示制度の既存の第三者評価制度として挙げているものです。判定が必要かどうかは、対象の建築と所管行政庁の案内で確認します。
建物の省エネ性能の表示は義務ですか。
法第27条第1項は、販売・賃貸を行う事業者が「表示するよう努めなければならない」と定めています。努力義務です。表示すべき事項と方法は国土交通省告示第970号が定めています。
注文住宅の設計でも、販売・賃貸時の表示制度の対象ですか。
ガイドラインは、注文又は請負により建築される建築物についての省エネ性能表示を、法律上の努力義務や勧告等の規定の対象外の例として挙げています。表示を行うことは望ましいとも書いています。