- 建築主は、床面積の合計が10平方メートルを超える建築物の建築をしようとするときは、その建築物を省エネ基準に適合させなければなりません。
- このうち建築基準法の確認が要る建築は、工事に着手する前に、省エネ適合性判定(適判)を受ける必要があります。
背景:全面適合義務化後の2段構え
建築物省エネ法は、建築主に省エネ基準への適合を求める義務(第10条)と、その適合を事前に確認する適合性判定(第11条)の2段で構成されます。令和7年(2025年)4月1日に全面適合義務化の改正が施行されています(改正と施行日)。
出典: e-Gov法令検索「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律」、e-Gov法令検索「同法施行令」(確認日 2026-10-22)。
建築主の基準適合義務(第10条、施行令第3条)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 義務の内容 | 建築主は、建築物の建築をしようとするときは、その建築物(増築・改築の場合は、増築・改築をする部分)を、建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない(第10条第1項) |
| 義務の対象外(規模) | エネルギー消費性能に及ぼす影響が少ないものとして政令で定める規模以下の建築。施行令第3条は、建築に係る部分の床面積の合計が10平方メートルであることとしている(内部に間仕切壁等がなく常時外気に開放された開口部が床面積の20分の1以上ある階・部分の床面積は、合計から除く) |
| 建築基準関係規定 | 第1項の規定は、建築基準法第6条第1項に規定する建築基準関係規定とみなす(第2項。一部の建築物の建築の場合は適用しない) |
| 違反の場合 | 所管行政庁は、第10条第1項に違反している事実があると認めるときは、建築主に対し、相当の期限を定めて、違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる(第13条第1項) |
適合性判定を受ける建築(第11条第1項)
建築主は、基準に適合させなければならない建築(建築基準法第6条の4第1項第3号に掲げる建築物の建築に該当するものを除く。「特定建築行為」)であって、建築基準法第6条第1項の確認を要するもの(「要確認特定建築行為」)をしようとするときは、その工事に着手する前に、建築物エネルギー消費性能確保計画を提出して、所管行政庁の適合性判定(計画が基準に適合するかどうかの判定)を受けなければなりません。
ただし、適合性判定を行うことが比較的容易なものとして国土交通省令で定める特定建築行為は、この限りではありません(適合性判定を受けなくてよい場合)。手続きと期間は適合性判定の手続きと期間にあります。
適用除外(第20条、施行令第4条)
| 号 | 内容 | 施行令第4条の定め |
|---|---|---|
| 1 | 居室を有しないこと、または高い開放性を有することにより空気調和設備を設ける必要がないものとして政令で定める用途の建築物 | 自動車車庫、自転車駐車場、畜舎、堆肥舎、公共用歩廊その他これらに類する用途。観覧場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場、神社、寺院その他これらに類する用途(壁を有しないことその他の高い開放性を有するものとして国土交通大臣が定めるものに限る) |
| 2 | 法令・条例の定める現状変更の規制及び保存のための措置その他の措置がとられていることにより、基準に適合させることが困難なものとして政令で定める建築物 | 国宝・重要文化財等として指定・仮指定された建築物、伝統的建造物群を構成している建築物、重要美術品等として認定された建築物、条例により現状変更の規制がされ基準に適合させることが困難と所管行政庁が認めた建築物、これらの原形を再現する建築物で所管行政庁が認めたもの、景観重要建造物 |
| 3 | 仮設の建築物であって政令で定めるもの | 建築基準法第85条第1項・第2項の応急仮設建築物で工事完了後3月以内のもの、同条第3項の許可を受けたもの、事務所・下小屋・材料置場等の仮設建築物、同条第6項・第7項の許可を受けた建築物 |
所管行政庁とは(第2条第1項第5号)
所管行政庁は、建築基準法の規定により建築主事または建築副主事を置く市町村の区域については市町村長、その他の市町村の区域については都道府県知事です(一部の建築物は都道府県知事)。適合性判定は、所管行政庁が行うほか、国土交通大臣の登録を受けた登録建築物エネルギー消費性能判定機関に行わせることができます(登録判定機関)。
確認していないこと
建築基準法第6条の4第1項第3号に掲げる建築物の範囲、適合性判定を求める際の個別の書類、基準省令(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令)の中身は、このページでは読んでいません。個別の建築の適用は、所管行政庁・登録判定機関に確認してください。
よくある質問
省エネ基準に適合させる義務は、どの規模から対象ですか。
施行令第3条で、建築に係る部分の床面積の合計が10平方メートルを超える建築が対象です(10平方メートル以下は、影響が少ないものとして対象外)。
適合性判定は誰が行いますか。
所管行政庁(市町村長または都道府県知事)です。所管行政庁は、国土交通大臣の登録を受けた登録建築物エネルギー消費性能判定機関に、判定の全部または一部を行わせることができます(第14条)。
適合性判定は、いつまでに受けますか。
第11条第1項で、工事に着手する前です。判定を受けて、適合判定通知書を確認の審査をする建築主事・指定確認検査機関に提出します。
自動車車庫は、省エネ基準の対象ですか。
施行令第4条第1項第1号で、自動車車庫、自転車駐車場、畜舎などの用途は、第20条の適用除外(居室を有しないこと等により空気調和設備を設ける必要がないもの)に当たります。