- 非住宅の省エネ基準は、基準省令第1条第1項第1号が2つの適合の仕方を定めています。イは実際の設計仕様に基づく設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量を超えないこと、ロは用途ごとの標準的なモデル建築物で同じ比較をして超えないことです。
- 「仕様基準」「標準計算」「モデル建物法」「標準入力法」は、この条文には出てこない呼び名です。完了検査の手引き、自治体の様式や手数料表、建築研究所の資料で使われています。
条文:非住宅の2つの適合の仕方(基準省令第1条第1項第1号)
e-Gov法令検索「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令」 第1条第1項第1号は、非住宅部分を有する建築物(複合建築物を除く)について、次のイまたはロのどちらかに適合することを求めています(確認日 2026-11-06)。
| 号 | 内容(条文の趣旨) |
|---|---|
| イ | 非住宅部分の設計一次エネルギー消費量(実際の設計仕様の条件を基に算定した一次エネルギー消費量)が、基準一次エネルギー消費量(床面積、設備等の条件により定まる基準となる値)を超えないこと |
| ロ | 非住宅部分の用途と同じ用途の一次エネルギー消費量モデル建築物(国土交通大臣が用途に応じて算出に用いるべき標準的な建築物と認めるもの)の設計一次エネルギー消費量が、そのモデル建築物の基準一次エネルギー消費量を超えないこと |
| ただし書 | 国土交通大臣がエネルギー消費性能を適切に評価できる方法と認める方法で確かめられた場合は、この限りでない |
住宅(第1項第2号)は、外皮の基準と一次エネルギー消費量の基準の2つに適合する形です。この2つの細目は、このページでは読んでいません。
呼び名と、確認できた使われ方
次の呼び名は、基準省令第1条の条文には出てきません。出どころは、国土交通省や建築研究所の資料、完了検査の手引き、自治体の書式・手数料表です(確認日 2026-11-06)。
| 呼び名 | 対象 | 確認できた使われ方 |
|---|---|---|
| 仕様基準 | 住宅 | 国土交通省 完了検査の手引き(令和7年4月版)の工事監理報告書の様式の区分。新潟県の軽微な変更説明書にも「住宅・仕様基準」がある |
| 標準計算 | 住宅 | 同じく工事監理報告書の様式の区分。新潟県の軽微な変更説明書にも「住宅・標準計算」がある |
| 仕様・計算併用法 | 住宅 | 新潟県が「仕様基準と標準計算の様式を併せて使用」と注記。宮城県・徳島県は手数料の区分に使う |
| モデル建物法 | 非住宅 | 工事監理報告書の様式の区分。宮城県・徳島県は手数料の区分に使う。建築研究所の非住宅の技術情報に計算仕様書がある |
| モデル建物法(小規模版) | 非住宅 | 工事監理報告書の様式の区分。国土交通省の施行準備の通知(令和6年7月4日、同年11月12日修正)は、モデル建物法の入力項目を一部簡素化したものを令和6年10月頃に示す予定としていた |
| 標準入力法 | 非住宅 | 建築研究所のプログラム「エネルギー消費性能計算プログラム 非住宅版 標準入力法」の名称。入力シートを読み込み、設計一次エネルギー消費量と基準一次エネルギー消費量を得るプログラムと説明されている。工事監理報告書の様式の区分、宮城県の手数料の区分にもある |
ロの条文が「モデル建築物」を使う点は、呼び名の「モデル建物法」と文言が重なります。国土交通省の完了検査の手引きは、非住宅部分について、基準省令第1条第1項第1号イを「標準入力法」、同号ロを「モデル建物法等」(モデル建物法とモデル建物法(小規模版))と呼ぶと書いています。手引きの表では、標準入力法とモデル建物法に規模の制限はなく、モデル建物法(小規模版)は非住宅部分の合計面積が300㎡未満の場合だけ使えます。
呼び名が出てくる場面
- 完了検査:工事監理報告書の様式が方法ごとに分かれます(完了検査で出す図書と工事監理報告書の様式)。
- 適合性判定の手数料:自治体の手数料表が方法ごとの区分で金額を分けています(提出図書・手数料の自治体比較)。
- 軽微な変更:新潟県の書式一覧では、説明書の様式が住宅の仕様基準・標準計算と非住宅で分かれます(軽微な変更と完了検査の書類)。
- 令和7年4月の改正:適合義務の対象が住宅と小規模非住宅建築物に広がり、小規模向けの評価方法が整理されました(小規模建築物の扱い)。
確認していないこと
各方法の入力項目、住宅側の使える条件、国土交通省による各方法の公式な定義文、住宅の外皮と一次エネルギーの細目は、このページでは読んでいません。どの方法で評価するかは設計者の選択で、このサイトは選び方や適否を示しません。申請先の所管行政庁・登録判定機関の最新の案内と、国土交通省・建築研究所の資料で確認してください。
よくある質問
モデル建物法と標準入力法は、条文のどこに書いてありますか。
基準省令第1条には、これらの呼び名は出てきません。非住宅の適合の仕方はイ(実際の設計仕様に基づく比較)とロ(モデル建築物での比較)の2つで、呼び名は国土交通省・建築研究所の資料、完了検査の手引き、自治体の書式で使われています。
仕様基準と標準計算は、住宅と非住宅のどちらの呼び名ですか。
完了検査の手引きと新潟県の書式一覧では、住宅の区分として使われています。非住宅の区分はモデル建物法、モデル建物法(小規模版)、標準入力法です。
どの方法で評価すればよいですか。
このサイトは、方法の選び方や適否を示しません。条文と公式資料に書かれた呼び名の位置づけを整理したものです。個別の案件は、設計者の判断と申請先の案内によります。